私と母のこと
はじめまして。
このページを訪問してくださってありがとうございます。
このサイトをご覧いただいているということは
大切な人との旅行を計画中ですか?
その方は車いすですか?
私の母は
脊髄小脳変性症という病気で、車いすを利用している障がい者です。
この病気になってから30年以上たちますが
思いのほか進行は遅く、長年診ていただいている担当医の先生にも驚かれるくらいです。
母は、70代の高齢の障がい者でありながら、ずっと一人暮らし。
なぜ一人暮らしなのかは、また別の機会にお話ししようと思います。
私は、主人と娘と息子がいます。4人暮らしです。
娘と息子はふたりとも成人し、やっと子育ても落ち着いたところです。
親孝行できていなかった私が、余裕ができたころ。
テレビの旅番組ををみていて
「そうだ 母を白川郷に連れていこう」
と思い立ちました。
もちろん、その旅番組が白川郷を特集していたからなのですが
そもそも「このへんでゆっくり母と旅行してみたいな…」「いいかげん親孝行の一つも
しなくては」という思いがありつつも、
障がい者で車いす利用であるということが、なかなかきびしい現実で、
重い腰を上げることができずにいました。
でも、なぜか、
そのときは強く「そうだ 母を白川郷に連れていこう」と強く思えたのです。
ここで動かなかったらずっとこのまま、母はどんどん年を重ねてしまう
それどころか、ここまで病気がありながら元気でいられているのが奇跡なのに
いつ何があるかわからない。今しかない。
と、やっと決心することができました。
なぜ白川郷だったのかは、あの雄大な穏やかさに感動したからなのですが
障がい者で車椅子の母を、私ひとりで連れていこうとするのに
自分でも行ったことがない土地を選んだのはけっこう無謀だったなと思ったりもします。
でもなぜかそのときの私は、何かに突き動かされるかのように、がんがん動く力がわいてきて行動に移していくことができました。
実際、車いすと一緒のお出かけは
そりゃあ簡単ではないけれど。
思っていたほど大変なものではなくて
むしろ
それよりも
得られたものが思っていたよりもずっと大きかったです。
母の元気 と 人の温かさ
旅行に行って、母は周りが驚くほどに元気になりました。
生き生きした感じを何十年ぶりに見た感じがしました。
行く先々で親切にしていただいて
困っていると声をかけてくれる方がいて
時にはコワモテのがたいの大きなお兄さんに車いすごと抱えてもらったこともありました。
もしもあなたが大切な人と旅行に出かけたいと思っていて
車いすということがネックになっていてなかなか踏み出せないでいるなら
私の経験が少しでもお役に立てたらうれしいです。
なにものにも代えられない、大切な時間となりますように。