【車椅子で乗る飛行機】チケットは障害者割引と早割どっちがいい?

2020年9月5日

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【車椅子で乗る飛行機】チケットは障害者割引と早割どっちがいい?

2020年9月5日

航空チケットの画像 アイキャッチ画像

車いすユーザーである母と、九州・博多・由布院・温泉旅行。
この旅では、羽田から飛行機を利用しました。

旅行会社のパッケージツアーに申し込めば手っ取り早くてラクですが、障害者で車いすの母と一緒の旅行はそれだとなかなか厳しい面ががあります。もっと自由のきく個人手配で、母に合わせた移動手段と宿泊先を計画。

できるだけ費用を抑えつつ、車いすの母が無理なく飛行機に乗れるよう、いろいろ調べてチケットを予約しました。

航空チケットを予約するとき、障害者割引と早割はどちらがお得かなど調べてわかったことを紹介します

追記! 
この記事を書いたのは2020年9月なのですが、その後2023年の春にJALの運賃改正がありました。障害者割引の運賃体系が大幅に変更になり、より購入しやすいお得な運賃になっています。最後のほうで詳しく追記していますので、飛行機チケットを購入予定の方はぜひ最後までご覧ください!

どちらがいい?【早割と障害者割引】車いす利用の飛行機チケット

障害者手帳を持っている方は、飛行機のチケット購入には障害者割引が利用できます
私の母は、障害者手帳を持っているので、この障害者割引が適用されます。

でも・・・

結論から言うと、今回、障害者割引ではなく早期割引チケットを購入しました

なぜなら、断然安いからです。

ただ、障害者割引と早割チケット、どちらがいいかは場合により違います。
どういった場合に、障害者割引のほうがいいのか、早期割引のほうがいいのか、、、

それぞれの特徴とメリット・デメリットを解説したいと思います。

車椅子で乗る飛行機【障害者割引】について

まずは障害者割引について説明します。

私ははじめ、『障害者割引』を利用しようと考えていました。

前回の旅行は新幹線で移動したのですが、JRの障害者割引でかなりお得にチケット購入できたので、今回もその制度を利用しようと思っていたんです。

航空券の障害者割引とは

飛行機の障害者割引は各航空会社によっても多少異なり、LCC(格安航空会社)などでは障害者割引運賃を設けていないところも。

日本の航空会社で代表的な『JAL』と『ANA』、この2社には障害者割引の料金設定があり、その基準はほぼ同じでした(これは2019年当時のことで、現在はJALに改定があり、後述します)。

今回利用したANAの障害者割引運賃を例にしてみます。

ご利用条件
ご搭乗時の年齢が満12歳以上で以下の手帳をお持ちの方、および、同一便に搭乗される満12歳以上の介護者の方(お一人様まで)がご利用いただけます。
・身体障害者手帳
・戦傷病者手帳
・療育手帳
・精神障害者保健福祉手帳
※手帳をお持ちのご本人が小児(3歳~11歳)で、他の運賃をご利用の場合でも、介護者の方は当運賃をご利用いただけます。
※手帳をお持ちのご本人が座席を使用しない幼児(2歳以下)の場合は、介護者の方は当運賃をご利用いただけません。
※精神障害者保健福祉手帳の有効期間がご搭乗日当日に満了している場合は、当運賃をご利用いただけません。

引用:ANA【障がい者割引運賃】

障害者割引のメリット・デメリット

障害者割引はもちろんメリットがありますが、デメリットもありました。

メリットは

  • 通常料金より安い
  • 日程の変更・払い戻しが可能なこと

まず、障害者「割引」なので、もちろん割引されて通常料金より安い価格でチケットを購入することができます。

それと、航空券の有効期間が1年あって、その間は予約した日程の変更、もしくはキャンセルした場合に料金の払い戻しができるということです。

障がい者割引運賃の最大のメリットは、実はこの「日程の変更や、キャンセル・払い戻しができる」という点だと思います。

航空券の有効期間

航空券の有効期間は発行日(購入日*)およびその翌日から起算して1年間(1年後の同日まで)です。
なお、ご予約がある場合は当該予約便に限り有効となりますので、ご出発前までに変更・取り消しをされなかった場合、当該航空券でのご搭乗はできません。
※ただし、コンビニなどでお支払いの場合は、弊社が入金を確認した日。

変更

予約便の変更は可能です。ただし、ご本人が変更する場合は介護者の方も同時に変更が必要です。航空券の名義・区間の変更はできません。

払い戻し

航空券の購入日以降、航空券の有効期間満了日の翌日から起算して30日以内に限り承ります。
所定の手数料(払戻手数料と取消手数料)がかかります。

引用:ANA【障がい者割引運賃】

それでは、障害者割引のデメリットはなんでしょうか。

デメリットは

  • そこまで安くない

デメリットとまでは言えないのかもしれません。

実際、割引制度なのでたしかに通常の航空券よりは安く購入できます。ですが、このあと説明する「早期割引」ほどは安くないんですね。

障害者割引チケットが向いてるのは

この障害者割引を利用してチケットを購入するのに向いている人は

  • 障害者手帳を持っている
  • 体調が安定していないなど予定に不安がある
  • キャンセルする可能性がある

障害者手帳を持っている方の中には、難病を抱えていて体調がなかなか安定しない方もいらっしゃると思います。そういった方と一緒の旅行の場合には、日程変更やキャンセルの可能性も視野に入れておいたほうがいいですよね。

障害者割引でチケットを購入すれば、通常より安く購入しつつ、もしもの時のリスクを抑えることができます。

車椅子で乗る飛行機【早割チケット】

それでは次に、早期割引(早割)チケットについて説明します。

色々調べた結果、私は【早割チケット】のほうで予約購入しました。

一番の理由は「安い」からです。

早割チケットとは

早めの予約によって大きな割引きを受けられて、かなりリーズナブルな価格で飛行機のチケットを購入できます。

代表的な2社(ANAとJAL)の普通運賃と、早期割引の運賃と、さらに障がい者割引運賃とを比較して表にしてみました。

2020年9月6日現在の同年11月29日羽田→福岡の便を例にしています。

航空会社普通運賃障がい者割引早期割引
全日空
ANA
40,30025,000スーパーバリュー75
11,800
日本航空
JAL
42,30025,000ウルトラ先得
12,500

青い列がANAの運賃、赤い列がJALの運賃です。
この日はANAのほうが比較的安い金額になっていますが、JALのほうが安いときももちろんあります。

それよりも、横列の普通運賃と障がい者割引運賃、早期割引運賃を見比べてみてください。

JALとANA両社とも、障がい者割引運賃は普通運賃より2万円近く割引きされています。
そして、早期割引運賃は障がい者割引運賃のさらに半額くらいの価格になっています。

早割チケットはかなりお安くお得ですよね!!

早割のメリット・デメリット

では、早割チケットの具体的なメリット・デメリットを見ていきましょう。

メリットは

  • 早割チケットはかなり安い(障害者割引のさらに半額で買えることも)

早期割引のメリットは、とにかく安い価格で航空券を購入できることです。早い時期の予約購入ほど割引率が高くなります。

たとえば搭乗日の75日前の予約購入だと、普通運賃の1/4ぐらいで購入できることも少なくありません。

なので、早期割引を利用してチケットを購入する場合は、3か月くらい前にはWEBサイトで価格をチェックしておくのがいいと思います。

デメリットは

  • 搭乗日の変更ができない(キャンセル料がかかる)

早期割引のデメリットは、予約した搭乗日の変更ができないということです。

急きょ都合が悪くなって予約した搭乗日を変更したいとなっても、早期割引で購入したチケットは搭乗日の変更ができないため、いったんキャンセルするしかありません。

キャンセルには取り消し手数料が発生します。
予約した搭乗日までの日数にもよりますが、購入した金額の50%以上の手数料がかかることも多いです。

早割チケットが向いているのは

この早期割引を利用してチケットを購入するのに向いている人は

  • 飛行機代を安く抑えたい
  • キャンセルや日程変更の可能性がほとんどない

私の母は小脳変性症という難病で障害者手帳を持っていますが、幸いなことに体調はかなり安定していて、日程変更やキャンセルの可能性がほぼ考えられませんでした。

なので、一番お得な早期割引チケットを購入することにしました。

【障がい者割引】も【早割】も介助サービスは受けられます

私ははじめ、障害者割引でチケットを購入していないと空港や機内での介助サービスが受けづらいのではないかと思っていました。

でも、冷静によく考えると、障害者手帳を持っていなくても車いす利用者はたくさんいます。
高齢者や骨折などで車いすを利用していて、介助サービスが必要な人はいますよね。

それで、実際に空港の『身体が不自由な方のインフォメーションデスク』に問い合わせの電話をしてみました。

yuyu
yuyu
障害者手帳を持っているので障害者割引が使えると思うんですけど、搭乗日の変更の心配があまりない場合は、早期割引のチケットのほうがお得ということですか?
そうでございます。
yuyu
yuyu
でも、早期割引の場合も、車いすの介助サービスは受けられますか?
もちろんでございます。
もしお手伝いが必要でしたら、ご予約が決まりましたらあらためてご予約内容についてお知らせください。必要なお手伝いを手配いたします

とのことでした。

なので、障害者割引でも、早期割引でも、そのほかの方法で航空券を購入したとしても、必ず利用する航空会社に事前に連絡をとって、車椅子利用であることを伝えてください。

この事前連絡をしておかないと、必要な介助サービスが受けられないだけでなく、最悪の場合、車椅子で飛行機に搭乗することができなくなってしまうこともあり得ます。

車椅子で飛行機を利用する場合の代表的な航空会社2社の事前確認ぺージを載せておきます

空港駐車場でも障害者割引が利用できます

ちなみに、少しだけ話がそれますが、空港駐車場も障害者割引が利用できます。
予約金を含む利用料が半額になります。

空港近くの駐車場ならどこでも利用できるわけではなくて、空港が運営している駐車場です。

ー空港ビル直結の便利な駐車場ー羽田空港駐車場

羽田空港駐車場【障がい者割引】

障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳、特定疾患医療受給者証、特定医療費(指定難病)受給者証、小児慢性特定疾病医療受給者証)等をご提示いただくと、料金(予約料金も含む)が半額となります。
割引の手続きがお済みでない方は、事前精算機はご利用せず、出口ゲートで係員へお申し出ください。

引用:羽田空港駐車場

【障害者割引】と【早割】状況によってお得な選択を

母は幸いなことに障害がある以外は比較的健康で、血圧や体調はいつも安定しています。
キャンセルや日程変更の可能性はあまり考えられそうになかったので、『早割』のほうを選択しました。

といっても、調べ始めたときには一番安く購入できる75日前の期間は過ぎていて、55日前のスーパーバリューチケットを購入しました。

チケットを購入したときの領収書です(母と私のぶんがそれぞれに発行されています)▼ (画像の上をクリックすると大きく表示されて見やすくなります)

購入した航空券の領収書の画像

75日前のチケットが購入できていればもっと安くできたのに!とも思いますが、このときの障害者割引でのチケット代が片道25,000円ぐらいだったのでじゅうぶんお得感はあります。

実際に、当日も予定通りの便に乗れて、介助サービスを利用して快適に車椅子での空の旅をたのしむことができました。

このときの様子は、こちらで紹介しています▼

飛行機の座席の窓から見えた青空
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【追記!! 】 JALの障害者運賃が改定され新しい割引システムに

私が母と飛行機を利用して九州旅行をしたのは2019年11月。その当時の運賃体系は上記のとおりで、JALもANAと同様でした。

ところが、JALは今年(2023年4月)、国内線運賃制度をリニューアルし、障害者運賃がいままでと全く異なるシステムに変更されました。
これは、障害者割引を利用したい人にとって、とても嬉しい変更となっています。

具体的な変更内容と、利用方法について、わかったことを紹介します。

「障がい者割引」が廃止 「 ディスカウント方式」に!

今回のJALの運賃改定では、それまでの、固定額の運賃としての「障がい者割引」を廃止、新しく「 ディスカウント方式」として各種運賃からの割引きという制度になりました。

どういうことかというと、いままでのJALとANAでは、上記で説明してきたとおり、「障害者割引運賃」という一つの運賃として存在していたものが、今後のディスカウント方式では、それぞれの運賃、たとえば大人普通運賃(スタンダード運賃。高額なぶん、変更やキャンセルがしやすい)や、早期割引運賃(早期に購入するほど安くなる)に、それぞれ障害者割引20%割引)を適用する形になりました。

詳細はこちらのJAL公式ホームページ ▶国内線運賃制度変更に伴う各種取り扱い

つまり、いままでは障害者割引運賃を選ぶか、早期割引を選ぶか、だったのが、早期割引運賃にもさらに障害者割引が適用されることになったんです!

従来の運賃の名称2023年改定以降の名称
大人普通運賃
(割引がないぶん予約変更・キャンセル可能)
フレックス
障がい者割引
(大人普通運賃より割引、予約変更・キャンセル可能)
廃止
往復割引
(往復で購入することで割引)
往復セイバー
特便
(いままでの早割運賃)
セイバー
先得
(いままでの超早割運賃)
スペシャルセイバー
ーーー
プロモーション

新しい制度では、以下のような形で、それぞれの運賃タイプに障害者割引(20%引き)が適用されます▼

  • フレックス(旧大人普通運賃)に障害者割引
  • 往復セイバー(旧往復割引)に障害者割引
  • セイバー(旧特便割引)に障害者割引
  • スペシャルセイバー(旧先得割引)に障害者割引
  • プロモーション(タイムセール商品)に障害者割引

JAL公式ホームページ「各種運賃*よりディスカウントでおトク!」より引用

ですので、従来の「障がい者運賃」のように、フライトを変更やキャンセルする可能性がある方は「フレックス」を、低価格を重視する方は「往復セイバー」「セイバー」「スペシャルセイバー」「プロモーション」を選ぶといいと思います。

ちなみに!

プロモーション運賃」というのはタイムセール商品のことです。
年に何度か期間限定のタイムセール商品が販売されます。先日のタイムセールでは国内航空券「7,700円~」というのがあり、これに障害者割引が適用されると「6,160円~」で購入できることになります。激安ですよね! ▶国内航空券タイムセール

JALの障害者割引の利用方法

それでは、障害者割引を適用してチケットを購入する方法を説明します。

まず、JALの公式ホームページを開きます ▶JALの公式ホームページ

希望の便(今回は例として羽田⇔福岡)を選択し、下に出てくる「検索する」という赤いボタンをクリックします▼

すると、下の画像のように、日付や人数を入力する画面が出ますので、それぞれ入力。さらに「人数」の下にある欄に「対象者限定割引」という欄があるので(はじめは「利用しない」になっています)、そこをクリック▼

すると、「対象者限定割引」の選択欄が出ます。「障がい者割引」にチェックを入れて確定▼

入力した「便」「日付」「人数」「障がい者割引」を確認したら「🔍検索する」ボタンをクリック▼

出てきた画面の中から希望の便を選択します▼

障害者割引と早期割引を上手に使い分ける

JALの障害者割引のシステムが新しくなったことによって、車椅子ユーザーの航空券の選択肢が広がりました。

行先によっても利用できる航空会社が変わるかもしれませんし、必ずしもJALの新しい料金システムが安くなるとも限らないと思います。

その時のユーザーの状況にあわせて、よりお得で安心なフライトを選べるといいですよね。

ちなみに私は、格安航空券検索サイトも使いました。JAL・ANA・スカイマーク・ジェットスターなど国内すべての航空会社のチケット価格をいっぺんに比較して最安値を簡単に探せて予約できます。便利だったので載せておきます▶ 航空券ならエアトリ!

次は、車いす利用での旅行に必要な手配の2つめ「車椅子ユーザーが泊まれる宿の手配」についてです▼

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