2022年10月125日(火)~26日(水)
車椅子ユーザーである母と、箱根に1泊温泉旅行。
ロマンスカーで箱根湯本駅まで行き、登山電車 ➔ ケーブルカー ➔ ロープウェイを乗り継いで、大涌谷を観光。2日目には、海賊船、遊覧船を乗り継ぎ、路線バスで箱根湯本駅に戻りました。
宿泊は、強羅駅から徒歩3分ほどのところにある『箱根・強羅 佳ら久』というホテルのユニバーサルルームを利用しました。
全室に温泉露天風呂があります。静かで優雅。落ち着いた雰囲気。
車椅子ユーザーである母と、客室露天風呂、そして広々とした貸切の露天風呂を満喫した宿泊のようすを紹介します。
箱根 客室露天風呂つきバリアフリールームのあるホテル
箱根といえば温泉。
今回の旅の一番の目的は、車椅子ユーザーである母とゆったり景色のよい温泉につかることでした。
箱根で温泉に入れるホテルや旅館は数多くあります。
その中で、母と一緒に利用できるところを探すとなると、やはり選択肢はかなり絞られてきます。
貸切のお風呂なら周囲を気にせずに利用することができますが、さらに客室に温泉露天風呂があれば、いつでも好きなときに時間も周囲も気にせずに温泉に入れます。
その両方を叶える、貸切風呂もあるホテルで、客室露天風呂つきユニバーサルルームを見つけました。
強羅駅から徒歩で3分
今回の旅行は公共交通機関を使って移動しました。
関東圏であれば、車いすの母との移動は車のほうが早くてラクですが、箱根といえば「ロマンスカー」!
ロマンスカーに乗り▼
箱根登山鉄道に乗り換えて▼
強羅駅に到着▼
強羅駅前から続く長い坂道を下ってきたところにホテルがあります。駅から徒歩3分ほどなのでとても近いのですが、この坂道がちょっと難点▼(くだりのときはまだいいのですが、駅に向かうときにはのぼりなので、車いすを押した私のアキレス腱はぱんぱん笑)
のれんをくぐるとホテルです。道の先には駐車場があり、車の場合は駐車場から続いている入り口が別にあります▼
エントランスはこんな感じ▼
シックで、わりとこじんまりしています。
入るとすぐにエレベーターがあります。エントランスのあるこの階は、実は4階です。ひとつ下(3階)のフロントへ。
このホテルは坂道に面して建っているので、このような構造になっているようです▼
フロントに到着すると、ウェルカムドリンクのお茶とお菓子が出されます。お茶をいただきながら、ソファでチェックインの手続き▼
佳ら久のユニバーサルルーム 206号室
チェックインを済ませ、すぐに案内されたのは私たちが宿泊するユニバーサルルーム「206」号室▼
スライドドアを開けると、部屋の奥までひと続きのフラットな床▼
進むと、、、▼
入ってすぐ左側のスライドドアを開けると、洗面所(トイレ、洗面、シャワールーム)があります▼
広々としたトイレ。もちろん車いすは余裕で回転できます▼
シャワールームもスライドドアで仕切られています▼
シャワールームには背もたれ付きシャワーチェアがセットされていました▼
露天風呂のあるテラスへ直線で続く部屋
幅が広めのゆったりしたベッド▼
部屋の突き当りにある窓の向こうに露天風呂のあるテラスがあります。
広くとられたスペース。直線の動線とフラットな床で、車いすで移動しやすいです▼
エキストラベッドになると思われるソファ▼
テラス側から入り口方向を見たようす。入り口のドアまで一直線です▼
雰囲気のいいテラスと露天風呂
テラスへ出るとこんな感じ!色づき始めた紅葉がライトアップされて、幻想的な雰囲気です▼
テラスへ出るときも段差はありません▼
浴槽には移乗できるようなスペースと手すりがついています。使いやすさは人によるかもしれませんが、母は入浴することができました。
具体的にいうと、、、
こちらのシャワースペースでシャワーを浴び▼
テラスへ移動して温泉に浸かる▼
部屋に入ってすぐのところにあるシャワールームでシャワーを浴びてから、テラスにある露天風呂に移動するのが、シャワーチェアから車いすへの移乗があったりして少し大変ではあります。
部屋のクローゼットにバスローブがかかっていて、シャワールームから露天風呂への移動のときに役立ちました。画像のように、車いすにバスローブを広げておいて、座ったらフワっと羽織れるようにスタンバイしておきます。私もバスローブをさっと羽織って介助▼
ぶはー。しみじみ、、、▼
部屋のアメニティ
ゆっくり温泉につかったそのあとは、部屋の冷蔵庫にこんなサービスが。
『飲むみかん』というオレンジジュース、すごく!美味しかったです。手前に並んでいるのはミネラルウォーター▼
用意されていた部屋着の作務衣です▼
母と私は身長が低いのですが、ぴったりSサイズが用意されていました。
フリーフロー(無料)でたのしめるラウンジ
時系列が少し戻りますが、私たちはひとまず部屋に荷物を置いたら、こちらのラウンジでお茶タイムにしました。
19時まではフリーフロータイムとなっていて、ソフトドリンク、ワインや生ビールなどのアルコール、おつまみやスイーツなどが無料でたのしめるようになっています▼
ミニケーキや一口大の和菓子、おしゃれなコーヒーマシン、いろいろ選べてワクワクします▼
2人分のスイーツをトレーに盛ってきて、、、
コーヒーは、カップが選べます。私は陶器のカップ。母はこぼしにくいように蓋付きの紙製カップ▼
佳ら久の夕食
ラウンジから部屋に戻り、露天風呂に浸かったあと、レストランへ移動してディナータイム。
ラウンジもそうですが、シックで高級感があって、こういう場に慣れていない私たちは少し緊張(笑)▼
一品ずつ運ばれてくるフルコース料理でした。ほかでは食べたことのないような工夫を凝らした和食。一つ一つのお料理は量が少なめですが、最終的にはお腹いっぱいすぎて、ご飯物は食べ切れずにすこーしだけお茶碗によそってもらい味見する程度でギブアップ。悔しい、、、(泣)
ガッツリお肉を食べたい方には鉄板焼きレストランもありました。
ベッドへの移乗問題
部屋に戻り、母は就寝タイム。
バリアフリールームを利用する際、トイレやバスルームの使い勝手、客室内の導線に並んで気になるのが「ベッドへの移乗」ですよね。
こちらの「佳ら久」のユニバーサルルームのベッドはこんな感じ▼
これは、ベッド2台を向かって左側に寄せて(がんばって押すと少し動きます)ベッドサイドのスペースを少し広げた状態です▼
ベッドサイドのスペースを広げてみたものの、車いすが奥まで入る広さにはならず、、、。
でも、ベッドサイドにはぴったり車いすをつけられたので、私が先に奥に入り介助する形でベッド・イン。
母の右手のところにあるソファの肘掛けになっている部分が、実は少し動いたので、もしかしたら取り外してもらうことも可能かもしれません。
朝の露天風呂
客室の窓から見える朝焼けはこんな感じ▼
そして、早朝の客室露天風呂はこんな感じ▼
この朝日の中でざぶーんといくのも非常にたまらないのですが、、、
貸切の露天風呂へ
実は『貸切露天風呂』を予約してありました。
3種類ある貸切風呂のフロアへはエレベーターで移動。入り口は、ほぼ段差なし▼
3種類の個室それぞれへの入り口も段差なしで、のれんをくぐった先にあるドアもスライド式、段差なしです▼
脱衣所内も段差はありません。脱衣所から浴室への扉もスライド式です。そしてほぼ段差なし▼
スライドドアを開けると、、、じゃじゃーーーん!!!
ホテルのホームページを見て、浴槽に高さがないのでお湯の中への移動がどうかな、、、と不安がありつつも、こちらの『檜の湯』には写真のような手すりがあったので、いけるかもしれないと予約したんですよね▼
準備してくれていたシャワーチェアを洗い場スペースにセット。浴室内はかなりの広さで、車いすのままシャワーチェアや手すりまで移動できます▼
車いすで手すりのところまで移動して、手すりを使っていったんしゃがみ、ぺたんと座ってから方向を変えてお湯に入りました▼
朝風呂サイコーーー!
トイレ
脱衣所内にはトイレもありました。写真のようにスライドドアでL字型の手すりもついていますが、車いすのまま入るスペースはありません▼
ただ、露天風呂からホテルのフロントへ向かう途中に車いす対応の広々したトイレがあります。写真では見切れていますが、オストメイト対応の水栓もありました▼
佳ら久の朝食
早朝の朝風呂にゆったり浸かって、荷物を整理したあとは朝食会場へ移動。
夕食が和食だったので、朝食は洋食を選んでみました▼
母は目玉焼き、私はオムレツをセレクト。
ふわぷるなオムレツで、ビーツのケチャップが添えてありました▼
小さな個室に案内してもらったので、2人でゆっくり楽しめました。窓からの景色もサイコー!
食事が終わり「そろそろ行こうか」と声をかけた私に、普段はわりとせっかち気味な母が「もう少し」と、、、▼
「全国旅行支援」を使ってリッチなホテル
コロナ禍で激減した観光需要を呼び戻すため、政府が実施した施策「全国旅行支援」。
今回はこれを使うことができたため、普段ではなかなか泊まれないようなリッチなホテルも選択の視野にいれることができました。
やはり、客室露天風呂つきの部屋となると、一気に価格が跳ね上がります。
さらに、客室露天風呂つきでバリアフリールームとなるとほんの何件かに絞られて、その中から本当に実際に母も湯船に入れそうな部屋となると、価格の部分では覚悟も必要。
なので、「全国旅行支援」はいわばチャンスでした。
全国旅行支援と予約サイトの割引で2万7,000円のお得
まず、各予約サイトで『佳ら久』のユニバーサルルームの料金プランを調べてみました。ところが、どの予約サイトでも、ユニバーサルルームのプランが出ておらず。これは、バリアフリー対応の客室にはよくあることです。
ただ、Yahooトラベルでは『佳ら久』のプランがプレミアムタイムセールで安くなっていた上に、10%のポイント割引があり、3,000円OFFクーポンもゲットすることができました。
私は『佳ら久』に直接電話をかけて、「ユニバーサルルームを予約したいが、できれば予約サイトのYahooトラベル経由で予約したい」と伝えました。
すると、
可能でございます。予約サイトで『西棟・露天風呂付 デラックスルーム』をご予約いただいた後にご連絡いただければ、こちらでユニバーサルルームとご予約を差し替えさせていただきます。料金は『西棟・露天風呂付 デラックスルーム』と同じでございます。
とのこと。
さっそくYahooトラベルで『西棟・露天風呂付 デラックスルーム』を予約して、ホテル『佳ら久』に連絡し、予約を差し替えてもらいました。
その時の決済画面がこちらです。95,370円の料金プランですが、
- 割引クーポン利用で -3,000円
- 今回ついた10%のポイントを「いまスグ利用」で -9,230円
で、差し引いて83,140円になった料金をPayPay残高利用で支払いました。
ただ、この時点ではまだ全国旅行支援が適用されていません。
ここからさらに旅行支援の1人5,000円が私と母の合計で-1万円。
最終的には、95,370円が73,140円になりました。
それでも1名分は1泊で36,570円ですから、安くなったとはいえ決して安くはありません。しかも、貸切露天風呂は有料で1時間5,000円とかなりお高いのですが、それも地域クーポンで実質無料で利用できたんですよね。
結果的には、今回の全国旅行支援と運良く利用できた各割り引きのおかげで、いままで利用できなかったランクの宿に宿泊することができました。
『箱根・強羅 佳ら久』のユニバーサルルーム
全国旅行支援と割引きを利用してお得に泊まれた今回のホテル。
客室の露天風呂も、貸切の露天風呂も、母がお湯に浸かるには、ただ「ざぶーん」というわけにはいかず、つかまる手すりだったり、シャワーチェアだったり、車いすで直近まで寄ることのできるスペースや段差の少ない床だったり。母に必要なバリアフリーの要素が、完璧ではありませんがほぼほぼ整えられていました。
あとは、
転ばないように、ぶつけないように、移動するときの工夫も、そしてそれを「体験したい!」という本人の気持ちも必要です。さらには、最悪ダメだったときに諦める覚悟と代替案も、、、
今回母は、客室内のシャワールームと露天風呂が離れたところにあることで、気後れしたのか「風邪をひくからお風呂はいい(入らない)」と言い出しました。そこで、服を着ている状態で車いすでシャワールームから露天風呂に移動して一緒にシュミレーションしてみました。「ここで服を脱いで、シャワーして、こう移動して、湯船に、、、いけそうでしょ?」
ここまで来て、私だけ温泉につかるのも悲しすぎるので必死に説得しましたが、まあ、でも、説得できなかったとしても、このホテルの食事やそのほかのサービスがゴージャスで、今までにない体験ができました。代替案というのはこういうことで、宿泊先に限らず旅の行程の全ての中で「結局お湯には浸かれなかったけど、〇〇に行けたのはよかったなぁ」という何かしらの良い思い出が残ればいいなと思っています。
そういう意味でも今回のホテルは、普段にはない少しリッチな気分を味わえたのがよかったです。
従業員の方もとても親切で、とくにレストランでは、車いす利用の私たちに臨機応変に対応していただきました。
ホテルの公式ホームページはこちらです▼
箱根・強羅 佳ら久[公式サイト・最安値]
全客室に完備された温泉露天風呂が魅力の旅館、箱根・強羅 佳ら久のトップページです。
www.gora-karaku.jp
【箱根・強羅 佳ら久】ユニバーサルルームのプランはこちらから確認できます▼
箱根・強羅 佳ら久 部屋・プラン | |
箱根・強羅 佳ら久の料金・宿泊プラン | |
箱根・強羅 佳ら久 宿泊プラン | |
箱根・強羅 佳ら久 部屋・プラン | |
箱根・強羅 佳ら久で空室のあるルームタイプ | |
箱根・強羅 佳ら久で空室のあるルームタイプ |
※各予約サイトからご予約の際は、ホテルに直接連絡し、ユニバーサルルームとの予約の差し替えが必要です。
箱根でバリアフリールームのあるホテルを探しているならこちら▼
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