2023年2月に、とある講演会に参加するため母と日帰りで箱根へ。ちょっとした弾丸旅行になりました。
講演会の会場となったのは『湯本富士屋ホテル』。
せっかくなので、私たちはこのホテルの車いす対応客室の撮影許可をいただき、見学させてもらいました。日帰り温泉も可能とのことで、貸切温泉風呂でゆったりたのしんできました。
箱根の『湯本富士屋ホテル』、バリアフリー対応客室と貸切温泉風呂の様子を紹介します。
箱根 老舗ホテルのバリアフリー
箱根ではかなり老舗の湯本富士屋ホテル。ロマンスカーの発着駅「箱根湯本」駅から徒歩3分のという、アクセスのいいところにあります。
今回は私の運転する車で行きました。
ホテルに到着し、ホテルのエントランス目の前にある車いす用駐車スペースに車を止めさせてもらいました▼
老舗ホテルらしい立派なエントランス▼
中に入ったときのゴージャス感に、母は「わあぁぁぁ!」と感激していました▼
広々としたロビーです。毛足の短いタイル状のカーペット敷。写真には写っていませんが、周囲にはエレベーターやお土産の売店、小さなブティックなどもあります▼
ロビーにあるフロント(受付)。カウンターは高さがありますが、必要に応じてスタッフの方がすぐに出てきてくれます▼
私たちは、スタッフの方にお願いして、撮影の許可をいただき、ホテルを案内していただきました。
公共のトイレ
まずは車いす対応のトイレへ。
湯本富士屋ホテルはとても広くて、結婚式場や、大きな会議やパーティーができるイベントスペースも備えています。
公共の車いす対応トイレは結婚式場の奥にありました▼
間口はそれほど広くはないですが、スライドドアです▼
トイレの中のようすはこんな感じ!そこまで広くはないですが、車いすが回転できるスペースはあります。鏡は車いすでも見やすいような角度で設置されています。ありがたい配慮です▼
シンプルな車いす対応トイレですが、母は「使いやすい」との感想。
置いてある丸椅子が、車いすで利用するのにちょうどいい高さの荷物置きになって、なにげに便利でした▼
ちなみに、ここにはベビーシートなどのベッド機能はなく、別のスペースに授乳室がありました。赤ちゃんの授乳やおむつ替えにはそちらが利用できるようです。
バリアフリールーム451号室
車いす対応客室も見せていただきました。まずは「バリアフリールーム451号室」
中開きのドアですが、床はフラット。母は余裕で通過▼
110センチ幅のゆったりしたベッドが2台。車いすをベッドサイドにぴったりつけてベッドに移乗する場合も、サイドテーブルを移動したりして工夫できそうです▼
スペース広めで、車いすに乗ったまま移動も余裕▼
窓からはホテル前を流れる「早川」沿いの景色が見えます。川の向こうは線路なのでロマンスカーも▼
トイレとバスルームはこんな感じ。
入り口の扉はスライドドア。車いすのまま進んで回転できる広さがあります。背もたれ付きシャワーチェアがセットされていて、バスタブには手すりや移乗スペースもあります。この他にも、浴槽に取り付ける手すりや、滑り止めマットの貸出もあるようです▼
手すりのあるトイレ▼
温泉付きスーペリアツイン 401号室
次に見せていただいたのが「温泉付きスーペリアツイン401号室」
こちらの部屋は、ホテル内で唯一、温泉を引いている客室で、一般客はもちろん体の不自由な方にも配慮した作りになっているそうです。
フラットな床、中開きのドアです▼
先ほどのバリアフリールームよりさらに広さのある客室です。車いすのまま移動もラクラク▼
広いスペースのトイレと洗面。浴室への入り口には段差があるので、スロープが設置されています▼
トイレは、さらに手すりの貸出もあります。
洗面から続く広々とした浴室。天然温泉を引いています▼
浴室入り口にある短いスロープを上がる必要がありますが、浴室内はかなり広々しています。車いすのまま入ってもこのとおり余裕▼
背もたれ付きシャワーチェアも設置されています。窓の外は箱根の山並みが見えて、開放感のある雰囲気▼
ホテル周辺へ徒歩で出かける
ホテルから箱根湯本駅前の商店街などへ散策に行くには、エントランスを出て、屋外にあるこのエレベーターを使います▼
車いすでも届く高さの操作盤があります▼
エレベーターを降りると、湯本富士屋ホテルの名物でもある「あじさい橋」の手前に出てきます▼
「あじさい橋」を渡りきったところにある湯本富士屋ホテル直営の売店。
ホテルで焼き上げたパンやクッキー、コーヒーなどをテイクアウトできます▼
湯本富士屋ホテルのカレーは定評がありますが、ちょっとお高めなので、私はこの売店でそのカレーを使ったカレーパンをお土産に買って帰りました。美味しかったです笑▼
そして「あじさいばし」を渡ってホテルに戻る、、、
もちろん、箱根湯本駅からホテルへ向かう場合も、この橋を渡って先ほどの屋外のエレベーターでエントランスへ向かいます▼
赤い橋も白い橋も両方通れます。車両通行禁止で車は入ってきません(車いすはOK笑)▼
写真の右側に写っている縦長のガラス張りの部分が屋外エレベーターです▼
貸切温泉風呂
この日は日帰りでしたが、貸切温泉を予約してありました。
貸切風呂は有料で、1回45分間で2,000円。私たちは日帰り入浴だったので、別途入浴料が1人2,000円。合計で6,000円でした。日帰りはけっこう割高感があります。
貸切温泉のあるフロアへは階段を上がる必要があり、車いすの場合は「昇降機」を使って上がります▼
車いすから昇降機に移乗して、シートベルトをセット。スタッフの方がサポートしてくれます▼
リモコンを使って操作。ゆっくりと上っていきます▼
実はこの階段、踊り場でいったん切れて、その先にまた数段の階段があるので、別の昇降機に乗り換えます。
車いすからの移乗がかなり困難という方にはキツいかもしれません。母の車いすは、私が持って階段を上がり、スタッフの方も手伝ってくれました▼
貸切温泉風呂への入り口です(ごめんなさい。この手前が脱衣所になっていますが、脱衣所の様子を撮り忘れました泣)▼
中開きの扉です。5センチくらいの段差があります。
4室ある貸切風呂のうち、写真のように手すりがついているのは「彩雲」のみ。
「車いすの母親と利用する」とあらかじめホテルに伝えてあったので、背もたれ付きシャワーチェアをセットしておいてくれました▼
並々とはられたお湯。手すりに近いところが、腰かけスペースというか、浅くなっています▼
脱衣所で服を脱いだ母を車いすに乗せ手すりの前へ。手すりにつかまり立位を保ってもらってる間に車いすを下げてシャワーチェアを母の後ろにセット。母がシャワーチェアに座れたら、車いすをいったん脱衣所へ。母、私ともにシャワーを済ませ、また立位をとって、手すりや浴槽のフチにつかまりなんとか湯船に入りました▼
湯船からあがるときには、脱衣所から車いすを湯船のわきにセット。写真のように車いすにバスタオルをふわっとかけておきます。手すりを伝ってお湯からあがり、車いすのタオルの上に着座して、さらにもう1枚のタオルとで身体を拭きます。そのまま車いすを押して脱衣所へ。
湯船側から見た脱衣所。ドア越しに、バスタオルをかけスタンバイしている車いすが見えます▼
『湯本富士屋ホテル』のバリアフリー
ロマンスカー発着駅である「箱根湯本」駅から徒歩3分のところにある『湯本富士屋ホテル』。
ホテル手前の早川をまたぐ赤い欄干の「あじさい橋」がよく知られています。「千と千尋の神隠し」に出てくるような風景です。
老舗ホテルの貫禄ある建物ですが、貸切風呂へは階段利用が必要など、バリアフリーに関してはやはり古さを感じずにはいられない部分もありました。
ただ、日本のホテルの良さでもあるきめ細かな心配りというかサービスは、スタッフの方の対応からもひしひしと感じられ、とても親切にしていただきました。
今回参加した講演会は「箱根のバリアフリー」についての講演会で、その会場となっていることからも、このホテルのバリアフリーへの積極的な姿勢も感じることができました。
貸切温泉風呂は、昇降機があるものの、立位が保てない障害をお持ちの方にとっては正直かなり難易度が高いと思います。温泉につかるのであれば「温泉付きスーペリアツイン 401号室」に宿泊するのをおススメします。浴室やトイレに設置する「手すり」の貸出しもあるようです。
『湯本富士屋ホテル』はリゾート型のホテルなので、レストランは和洋折衷充実していますし、居酒屋もあります。カラオケや麻雀、卓球もできます。キッズルームや、夏季限定になりますがプールもあります。家族で出かけてもみんなでたのしめそうですよね。
ホテルの公式ホームページはこちらです▼
【公式】湯本富士屋ホテル 箱根湯本駅から徒歩3分
箱根湯本駅から徒歩3分、湯本富士屋ホテルの宿泊プランは公式サイトがお得です。ホームページ限定の宿泊プランや日帰り温泉プラ ...
www.yumotofujiya.jp
箱根でバリアフリールームのあるホテルを探しているならこちら▼
15件のバリアフリールームを紹介しています。
箱根は車いすで利用できる公共交通機関も充実しています!
ロマンスカーやロープウェイ、遊覧船など、箱根の旅行記はこちら▼
箱根旅行記 - 旅ちゃれんじ!車いすや高齢者でも利用できるバリアフリーなホテル・温泉・観光地【Accessible Trip】
車椅子や高齢者に優しいホテル・温泉旅館【バリアフリー旅行チャレンジ!】~親孝行旅に出かけよう~
accessible-japan.net