車椅子ユーザーの母との旅行。
昨年は、新幹線に乗り金沢へ行ってみました。
車いすで新幹線に乗るのは初めてでしたが、想像していたよりもスムーズに乗れて、問題なく楽しめました▼
新幹線編 車いすで金沢・白川郷・飛騨高山旅行
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そこで!
今回はさらにランクアップして「飛行機」にチャレンジしました。
車いすで飛行機に乗ることは、チケットの手配からフライトまで、不安なことがたくさんあるかもしれません。
でも、実際に経験してみて言えることは、予想よりはるかに簡単、快適。
車いすユーザーの身体の状況にもよるとは思いますが、バリアフリー対応はとても進んでいて、介助サービスの手厚いサポートで快適。少しも迷うことなく空港を利用することができました。
ただひとつ、飛行機に搭乗してから座席に移乗するまでにちょっと手こずったので、「こうするといいよ」というポイントも紹介したいと思います。
車椅子で乗る飛行機【予約について】
昨年の新幹線は,、JRの障がい者割引を利用してきっぷを購入。
今回の航空券も同じく、障がい者割引を利用するつもりでした。
でもよく調べたら、母の場合、お得に購入できるのは早期割引のほうで、
ANAの早割チケット「スーパーバリューチケット」をネットで予約購入。
【車椅子で乗る飛行機】チケットは障害者割引と早割どっちがいい?
車いすユーザーである母と、九州・博多・由布院・温泉旅行。この旅では、羽田から飛行機を利用しました。 旅行会社のパッケージ ...
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結果、昨年の新幹線以上というくらいにスムーズに飛行機に乗ることができました。
飛行機のチケットは、電話やインターネットで購入できます。
私はインターネットで、ANAのホームページから直接予約購入しました。
- 電話 詳しく教えてもらいながら予約できるメリットがあります
- ネット 障がい者割引や早期割引などを比較して検討しやすいです
また、安くてよりお得なチケット(障がい者割引を除く)を探すなら、格安チケット比較サイトを使うといいです。
同じ区間の便を、ANA、JALだけでなくその他の航空会社も比較しながら一番安いチケットを簡単に見つけることができます。最安値の航空券をさがす エアトリ
車椅子で乗る飛行機【介助サービス等について】
車椅子で飛行機を利用する際には、原則、事前にそのことを利用する航空会社に連絡しておく必要があります。
連絡は、航空券の予約・購入時など、利用が決まった時点で連絡するのが望ましいです。
なぜかというと、連絡したときに確認事項があって、その車いす利用者の状況に合わせて座席の確保や介助サービスの手配をするからです。
場合によっては、搭乗口の変更もあり得るようです。
連絡は、メールもしくは電話でします。
そのときに、必要なお手伝いなど介助サービスの利用についても確認されます。
電話のほうが、こちらの疑問にもすぐに答えてもらえるので、わかりやすいと思います。
私も電話で連絡しました。
ANA おからだの不自由な方の相談デスク | JAL プライオリティ・ゲストセンター |
無料 0120-029-377 有料 03-6741-8900(携帯からはこちら)
受付時間:9:00~17:00 (日本時間) | 無料 0120-747-707 有料 03-5460-3783(携帯からはこちら)
受付時間:9:00~17:00 (日本時間) |
ちなみに車椅子は手荷物として預けて、空港の車椅子に乗り換えるので、預ける車椅子の大きさも確認されます。
今では事前に車いすであることの連絡がなくても大丈夫な航空会社がほとんどですが、以前には連絡がなかったことで搭乗を拒否され大問題に発展したこともあったようです。
気持ちよく飛行機を利用するためにも、搭乗が決まった時点で早めに連絡しておくのがベストです。
車椅子で乗る飛行機【空港での一連の流れ】
空港に到着してからの一連の流れを具体的に紹介します。
飛行機に乗るのが初めて、もしくは乗ったことはあっても自分で手続きをするのが初めてという場合は、「まずどうしたらいいのかがわからない」という方もいますよね。
実際、私もそうでした。
まずは、空港に着いたらカウンターに行って、車椅子での搭乗を伝え介助サポートをお願いします。
とても丁寧に案内してもらえるので、迷うことなく飛行機に搭乗することができます。
この丁寧な介助サービスを受けるためにも、予約した時点での航空会社への車椅子であることの連絡と、搭乗当日の早めの空港到着を忘れないようにしましょう。
当日は時刻の1時間前までには手続きを済ませます。
空港での一連の流れ
- 空港到着チェックイン(1時間前までに)
- 保安検査
- 搭乗(介助サービス)
- 座席に移乗(介助サービス)
- 降機(介助サービス)
- 手荷物受取り(介助サービス)
空港到着チェックイン
私たちは早朝に出発して、高速バスも順調で予想以上に早く空港に着いたので、2時間くらい前にチェックイン。
ANAは「お手伝いが必要なお客様専用カウンター」があるので、空港に着いたら、まず向かいました。
そこでチェックイン手続きを済ませ、乗っていた車椅子を預け、空港内専用の車椅子に乗り換えます。
これでもう、チェックイン手続きと手荷物を預けるところまでは終了です。
保安検査
カウンターで、次にすることを案内してくれます。
次にすることは「保安検査」です。
保安検査というのは、飛行機の安全を守るための検査で、危険物などを所持していないかの荷物・身体チェックです。
搭乗前には必ずこの検査を受けます。
金属が身体のどこかについていたりすると、金属探知機が反応して警告音が鳴ります。
車いすの金属部分もこれに反応してしまうので、さらに細かく身体チェックを受けることになります。
ただ母は、先ほどのカウンターでANAの車いすに乗り換えていたので、そのまま通過できました。
ANAの車いすは、金属を使用していない樹脂製の特殊な車椅子なので、この探知機に反応しないようにつくられています。
ANA:樹脂製車椅子導入 手荷物検査が容易に https://t.co/vAFuy5oPyw
— 毎日新聞 (@mainichi) May 16, 2016
ちなみにJALの車椅子は木製で、同じく探知機に反応しない造りになっています。
どちらも最新技術のたまものですね。
私たちは少し時間があったので、空港内にあるいろいろなショップを見て回ったり、朝食にサンドイッチを買って食べたりしました。
その後、案内された保安検査場に行って、並んでいる人の列に一緒に並び、特殊な車椅子のおかげで無事一発で保安検査をスルーしました。
搭乗ゲートに
保安検査場を通過したら、搭乗ゲートに進みます。
何番の搭乗ゲートに行けばいいかは、チケットにも記載がありますし、先ほどの案内カウンターでも案内されているはずだと思います。
ゲートに到着したら、一応スタッフに声をかけて介助サービスをお願いしていることを伝えましょう。
車椅子の場合は、一般の方より優先的に早く飛行機内に搭乗することができます。
時間になったらスタッフの方が迎えに来て誘導してくれますので、それまでトイレを済ませたりしながら待ちます。
機内のトイレは、健常者でも狭くて使いづらいです。
機内のトイレも車いすの人も利用できるようにサポートはしてもらえますが、トイレ内での介助まではしてもらえません。
トイレは必ず搭乗前に済ませておくようにしましょう。
長時間のフライトの場合は、紙おむつの利用を検討してもいいと思います。
いよいよ搭乗
搭乗時刻になったら、介助サービスのスタッフの方がお迎えに来てくれます。
そこからはスタッフの誘導に従って搭乗します。
私たちが利用したANAの車椅子は、先ほどの保安検査場でも樹脂製ということで威力を発揮していましたが、この搭乗の際にもさらに大きな威力を発揮して、車いす利用者でもスムーズに搭乗できるような特殊な構造になっていました。
車いすの大きな車輪が着脱できて、搭乗口のところで大きな車輪を外し、小さな車輪のごくシンプルな車いすに変身できる造りになっています。
小さな車輪になった車椅子は、機内の細い通路も通れるコンパクトなサイズなので、座席の横にぴったり車いすを横づけして、肘かけを跳ね上げた座席に移乗しやすいようになっています。
ここで問題が!
この、すべて計算しつくされたANAの車いすを利用していたにもかかわらず、私と介助サービスとのちょっとした認識違いのせいで、行きの飛行機では座席と車椅子の移乗に苦労する結果になってしまいました。
どういうことかというと、介助サービスをお願いした際に、母の身体の状態だとか車椅子のサイズとかをいくつか質問されるのですが、母の身体の状態について、「伝い歩きはできる」と答えてしまったんですね。
その「伝い歩き」ですが、「座席の背もたれなどにつかまって車椅子から移乗する」というシーンを想像して伝い歩きができると答えていた私に対して、実際は、「搭乗直前で車いすを降りて、そこから伝い歩きで座席まで行く」という現実でした。
なので、機内への入り口のところで車いすを降りて、機内に入ってスタッフの方に支えられながら座席の背もたれを伝い歩き。
少しずつグラグラしながら次の背もたれへと伝っていき、やっと自分の座席へ。
で、エコノミーの最前列の座席へ案内されたのですが、そこにたどり着くまでには、まずビジネス席の背もたれを一つ一つ伝い歩きしていくしかありません。
なぜかというと、まず高級なビジネス席があって、その後にエコノミー席が並んでいるからです。
しかも、ビジネス席はゆったりつくられているので、座席の間隔が広いんですね。そのせいで伝い歩きが不安定になります。
母は想定外にこの伝い歩きに手こずってしまって、やっと座席に移乗できたという感じでした。
座席のわきまで車いすで!
この問題は、ぜんぜん普通に解消できます。
介助サービス申し込みの際に「座席まで車椅子で移動」をお願いするだけです。
私はこの「座席まで車椅子で移動」という前提で、「伝い歩きならなんとかできます」と答えてしまったのですが、ここはもう安心して「座席まで車椅子で移動」をお願いしてしまえばよかったです。
ここでいう「伝い歩き」というのは、高齢者の方などで、長時間の歩行は困難だけど、ちょっとした距離なら歩行できる」くらいのレベルのことだったようです。
そのときのやり取りを詳細まで覚えているわけではないので、言葉のとり違いがどうして起こったのか私にもよくわからないのですが、身体の不自由な状況や必要な介助を相手に伝えることの難しさを感じる部分でもあります。
ちなみに、大分からの帰りの便は「座席まで車いすで移動」をお願いして、とてもスムーズに座席に着くことができました。
もう「な~んだ」というくらい簡単でした。
飛行機を降りる
もう少しで到着するよ、というころになると、CAさんが来て「スタッフがご案内いたしますので、それまで少々お待ちください」と言いに来てくれます。
搭乗のときは優先して最初に案内されますが、降りるときは最後になります。
ほかの乗客が降りてから、お迎えのスタッフが来てくれて、ゆっくり案内してもらえます。
到着した空港での介助サービス
お迎えのスタッフに案内されて、無事飛行機から降りて空港施設内へ移動。
通常はそこで介助サービスは終了のようですが、スタッフの方が「わかりやすいところまでご案内いたしましょうか」と声をかけてくださって、次に博多に向かうことを伝えたら、福岡空港を出てすぐの博多へ行く地下鉄の入り口まで車いすを押して案内してくれました。
手荷物受取所で自分の車椅子に乗り換え
実はここでまた問題が!
私たちはそんなに手荷物が大きくなかったので、そのまま座席まで持ち込んでいたんですね。
カウンターで預けた手荷物は、乗っていた母の車椅子だけでした。
手荷物受取所の前まで来たときに、介助サービスのスタッフの方が「預けられている手荷物はございますか」と聞いてくれたんです。
私たちは手荷物を手に持っていたので、「荷物はこれだけなので大丈夫です」と答えてそのまま一緒に空港を出てしまいました。
地下鉄の入り口のところまで一緒に車いすを押してきてもらって、「それではここで」とスタッフの方が言いかけたとき。
母が「あの・・・」と(笑)。
なんと、ANAの車いすに乗ったまま空港を出てきてしまいました。
車いすを手荷物として預けていたことをすっかり忘れてしまっていました。
スタッフの方も平謝りしてくださって、「ここでお待ちくださいね」と言って空港内に戻り車いすを受け取って来てくれました。
なので、車椅子は手荷物として預けてあるはずなので、忘れずに乗り換えて来てください(笑)。
車椅子の空の旅は想像より簡単で快適でした
車いす利用の母との空の旅。
私自身は、飛行機に何度か乗ったことがありましたが、いつも夫や友人についていくだけだったので、自分で空港に行って、自分で手続きをして、しかも、車いすの母を連れているので、かなり不安もありました。
実際には、空港に着いてしまえば順番に進んでいくだけで、なおかつ介助サポートもついているので、迷うことなく搭乗することができました。
上記のように、搭乗して座席への移乗時に少し手こずったりもしましたが、帰りの便ではその問題もクリアして、さらに快適に楽しむことができました。
母自身も、はじめは飛行機に乗ることを怖がって抵抗を感じていたみたいでしたが、空の旅のリッチな感じも楽しめて、さらに自信もついたようです。
旅費的な部分でも、条件ば合えばかなりお得な料金でチケット購入できます。
新幹線の旅行よりもずっと高い金額になるだろうとの予想に反して、結果、私たちの場合は、今回の飛行機を利用した九州・博多・由布院・温泉旅行はそんなに変わらないくらいの金額におさまりました。
とくに飛行機チケットを早期割引で購入するなら、早いほど安いチケットを探しやすいので、早めに計画を立てることをおススメします。
ちなみに、障害者手帳を持っている方は「障がい者割引」を利用できます。
障がい者割引と早期割引、どちらがお得かは場合によるので、こちらの記事を参考にしてください▼
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