2023年6月28日(水)~30日(金)
車椅子ユーザーである母と、2泊3日の【函館・札幌】北海道旅行。
初日は函館に1泊。朝市 ➡ 五稜郭 ➡ トラピスチヌ修道院 ➡ 函館山の夜景 を観光しました。
函館山ロープウェイに乗って山頂展望台へ。
ロープウェイも、展望台も、車いすで移動可能です。
マジックアワーと言われる夜景鑑賞のベストタイム「夕暮れ時」は、とても混み合い、視線の低い車椅子ユーザーにはかなり不利な状況です。
でも、比較的すいていて、車椅子ユーザーでも最前列で夜景を見下ろすことのできるベストポジションがありますのでご紹介します。
みんながこぞってSNSに上げているのとほぼ同じ写真、むしろさらにきれいな写真が撮れるスポットですよ!
車いすユーザーの母と行った『函館山』と『ロープウェイ』の様子をレポートします!!
【※必読】函館山からの夜景『山頂展望台』は激混みです!
上の画像は、平日の夜7時半ごろ、函館山ロープウェイの様子です。画像の右下、手前部分に母の頭が写っているのがわかるでしょうか?
ロープウェイが山頂に到着して降りるところで、右側には、折り返しで次に乗ってくる人たちが列になって待機しています。
車いすは人混みに埋もれてしまいます
もう一つ、ロープウェイの写真。乗り込むときの様子です▼
スタッフの方の誘導で、母が乗り込めるように周囲の乗客がよけて空間をつくってくれています。
が、座っている状態なので当たり前ですが、高さが圧倒的に低いです。
ロープウェイに乗っている間は、周囲がぐるっと窓になっているので、もちろん移動しながら景色を楽しめますが、よほど窓際に行かないと、母は景色を見ることができません。
この状態のまま、みんなが大移動して展望台に向かうので、展望台でも同じような状況になってしまいます。
展望台ではすでにたくさんの人がわちゃわちゃと景色を見たり記念撮影をしたりしているので、このわちゃわちゃの最前列に行かないと、とくに車椅子ユーザーは人混みに埋もれてしまい何も見えません!
車いすで函館山からの夜景をたのしむためには、まずこの前提があることを理解してください。
でも、安心してください。
このあと、ロープウェイ施設のスタッフに教えてもらった解決策をご紹介しますね!
ホテルからタクシーで向かいました
私たちは湯川町にある【函館湯の川温泉 海と灯】というホテルに宿泊しました。
夜景を見に行く前に、チェックインして、荷物を預け、大浴場で軽く温泉につかり、ホテルバイキングで夕飯を済ませてから函館山に向かいました。
ホテルのフロントで、車いすで乗り込みやすいようスライドドアタイプのタクシーを呼んでもらい、ロープウェイの山麓駅(乗車駅)まで15分ほどで到着。
函館駅前からシャトルバスが運行されていますが・・・
函館駅前からは、ロープウェイの乗り場である「山麓駅」へのシャトルバスが運行されています。
私たちも、計画段階では、路面電車を使って函館駅前まで行き、駅前からロープウェイのシャトルバスに乗って移動することも考えたのですが、
- 路面電車やシャトルバスに時間を合わせるのが難しい
- シャトルバスはマイクロバスタイプで、車いす対応ではないのでステップを上がる必要がある
- シャトルバスを降車してから坂道がある
とのことで、早々に断念。
とくに路面電車は、乗ってみたかったのですが、車いす対応の低床車両は本数が少なく時間を合わせるのが非常に難しいです。
タクシーは山麓駅入口前でおろしてくれます
私たちはホテルからタクシーで15分ほどですが、函館駅近くのホテルに宿泊するのであればもうあっという間に着いて、料金的にもそんなにかからないので、やっぱりタクシーがオススメです。
レンタカーや自家用車で移動の場合は、駐車場がありますが、駐車場から入口まで急な坂道を上がります。
同伴者が車椅子ユーザーで、運転手は健常の方ならば、入口で車いすの方をおろしてから駐車場へ行ったほうがいいのではないかと思います。
函館山ロープウェイのバリアフリー
函館山ロープウェイは、バリアフリーが整備されていて、施設自体は車いすでも問題なく利用できました。
山麓駅入口はスロープあります
上の画像は、山麓駅の全体像と付近の様子がわかるよう、フリー画像のサイトからお借りした写真です。実際に私たちは、ちょうど日が暮れた頃に山麓駅に到着しました。
タクシーで行ったので、入口のすぐ前でおろしてくれましたが、いきなりどーんと階段▼
でも、少し目線を横にずらすと、スロープがあります▼
母と私はこのスロープから入館▼
運賃は障害者割引きがあります
館内はフラット。すぐにチケット売り場があります▼
普通運賃は大人1名往復1,800円ですが、障害者手帳提示で本人と同伴者1名が大人往復1,000円に割引されます(2023年6月現在)▼
一般客は階段へ 車いす客はエレベーターへ
私たちは、チケットを購入したときに「このまま進んでエレベーターをご利用ください」とスタッフに案内されました。
でも、一般の乗客は階段を案内され誘導されていました。
なので、エレベーターの前はこんなにガラガラ▼
エレベーターには、「優先エレベーター」と表示があります▼
エレベーター内には、もちろん車いす用操作盤もあります▼
エレベーターを降りると、階段を上がってきた一般客と合流▼
たくさんの人にひるみますが、スタッフの方がロープウェイ1基に乗れる人数ごとに列を区切っていて、その合間に私たちを差し込んでくれました▼
ロープウェイへの乗り込み
ちょうどいい区切りの最後尾に私たちを入れてもらって、そのままゾロゾロとロープウェイ乗り場へ。
スタッフの方が誘導・介助してくださって、とてもスムーズに乗れました。
私の胸元に着けたアクションカメラで撮影した乗り込みの様子はこんな感じ▼
(数十秒の短い動画です。スタッフの方が車いすの前輪を持ち上げてくれるときに「上げていいですか?」とちゃんと確認してくれているのが聞こえます)
ホームとロープウェイのすき間と段差はこんな感じ▼
すき間が若干あるものの段差はほぼなくて、もしかすると前輪を持ち上げてもらわなくても乗れるくらいかもしれないです。
車椅子ユーザーにおすすめの展望スペース
いよいよこれから『車椅子ユーザーにおすすめの展望スペース』をご紹介します。
上記で説明の通り、函館山ロープウェイに乗って展望台へ移動するところまでは変わりません。
で、私たちは、ロープウェイを降りてから、一般の方々とは異なる方向へ進みました。
また短い動画をご覧いただきたいのですが、ロープウェイから乗客がぞろぞろと降りていき、ほかの皆さんは一斉に画面右側に曲がって進んでいきます。
そこを私たちは、左側に進んでいきます(早回し動画ですが、大事な部分はスロー再生になっています)▼
通路の突き当りを左折
上記の動画でわかる通り、乗客の皆さんはロープウェイを降りて進んでいき、突き当りを右折しています。
が、私たちはそちらにはついていかずに左折▼
こんな感じで左折する人なんてほぼいなくて不安になるけど信じて!ちゃんときれいな夜景見れます▼
右折と左折の分岐点はここ!
ロープウェイを降りて通路を進むと突き当りにぶつかります。右折の矢印は「屋上展望台」、左折の矢印は「漁火公園」となっているのがわかると思います▼
ほとんどの皆さんは「屋上展望台」へ。私たちは「漁火(いさりび)公園」へ▼
左折してすぐに「漁火公園」側の出入口があります▼
自動ドアになっていて、段差はなし。
車椅子ユーザーにおススメの展望台「漁火公園」
漁火公園への出入口を通って外へ出ると▼
目の前に階段がありますが、夜景を見渡すフェンスに沿ってスロープがあるのがわかると思います▼
「うわぁ、、、」▼
「キレイ!!」って言ってます▼
「漁火公園」から見る夜景 「屋上展望台」から見る夜景
私たちはまず「漁火公園」に行って、無事にきれいな夜景を眺めることができました。
その後、せっかくだからと「屋上展望台」に行って、こちらでも大混雑の中、なんとか無事に夜景を見ることができました。
「漁火公園」から見る夜景は
漁火公園は、トワイライトタイムにも関わらず、私たちの他には3組ほどしか観光客がおらず、車いすに乗った母も当たり前のように最前列で景色を見下ろしました。
その景色がこちら▼
函館の夜景の特徴である「くびれ」が見えます。加えて、ロープウェイの乗り場と基体のきらめきもキレイです。
写真のクオリティがいまいちで、しかもこの日はちょうどこの時間に小雨がパラパラと降り出して、空にガスがかかっていました。
それでも、目の前いっぱいに広がるキラキラの景色に感動!!
人もまばらで、ゆっくり静かに夜景を堪能することができました。
「屋上展望台」から見る夜景は
私たちは「屋上展望台」へも行ってみました。
ロープウェイを降りてからゾロゾロと屋上展望台へ向かう行列を見ていたので、相当の混雑は予想していました。
が、、、
実際は想像以上で、私たちと一緒のロープウェイに乗っていた乗客のほかにも、さらにロープウェイで展望台へやってきた乗客が増えていたと思われ、さらに修学旅行生やツアーの団体が夜景をバックに記念撮影をしていたり。もう人、人、人、でごった返していました。
その様子をカメラに収めておけばよかったのですが、私もすっかり余裕がなくなって、母の車いすの居場所を確保するので精一杯。
ただありがたいことに、なんと、人混みの中の最前列にいた外国人カップルの女性が私たちのところへ来て、
「写真を撮ったらあなたとチェンジするから待ってて!」という意味らしきこと(英語だった!)を言ってくださって、最前列を私たちに譲ってくれました。
そのおかげで、母は無事に一番前で夜景を見ることができ、そのときに撮れた「屋上展望台」からの景色がこちら▼
こちらも写真のクオリティがいまいちですが、一般的に函館の夜景といえば、「くびれ」のあるこの景色です。
「漁火公園」にいたトワイライトタイムからさらに少し時間が経っているので、空もより黒っぽく変わっていますし、さらにガスっています。
なので、条件的にも比較しづらいのですが、あえて並べて比較してみます▼
左側が「漁火公園」 ロープウェイのロープや乗り場の灯りがどうしても入ってしまいます。
右側が「屋上展望台」 しっかり夜景だけを収めることができます。
「漁火公園」と「屋上展望台」の位置関係
ちなみに、「漁火公園」と「屋上展望台」の位置関係ですが、函館山ロープウェイの公式HPからお借りした画像によると、ロープウェイ乗り場と「漁火公園」は同じフロアにあり、「屋上展望台」はさらにもっと上にあるのがわかります▼
また、展望する角度的に、「漁火公園」側はロープウェイの施設やロープが写真の左側に映り込んでしまいますが、「屋上展望台」側は写真の右下にロープウェイが入るか入らないか程度です。
車いすで眺める函館山からの夜景
「漁火公園」と「屋上展望台」の様子の違いがおわかりいただけたでしょうか。
「漁火公園」の情報は、私が、母がシャトルバスを利用できるかどうかを確認したくてロープウェイの施設に電話をしたときにスタッフの方から教えていただきました。
話の流れで「車いすなので、人混みに埋もれてしまうと何も見えないんじゃないかと不安がある」と私が言うと、「おススメの場所があります」と教えてくれました。
私も下調べの段階で「漁火公園が穴場」という記事を見かけてはいたものの、「公園」という名前から、まったく別のところにある、まったく別の夜景になっていまうのではないかと思いこんでスルーしてしまいました。
ところが
「同じ施設内で、階の違いで高さが若干低いだけ。見える景色はほぼ同じなのにゆっくり鑑賞できますよ」
と聞いて、当日は安心して向かうことができました。
ちなみに、いくつかの写真でおわかりの通り、「漁火公園」からの景色にはロープウェイがセットで写ります。
でも、私は逆にロープウェイの煌めきが入った写真のほうが気に入っています。
もちろん好みにもよると思いますが、タイミングによっては上の写真のように、むしろロープウェイがいいアクセントになったりします。
函館山ロープウェイのバリアフリー対応
結果的に、車いすでも問題なくロープウェイに乗り、景色を堪能し、無事にホテルへ戻ることができました。
帰りは、施設の出入口に行ったら、警備スタッフの方が「ここで待っていて」と誘導してくださって、ちょうど到着したタクシーに入れ替えで乗れるように運転手さんに交渉してくれました。
私たちは利用しませんでしたが、車いす対応のトイレもあります。トイレのほか、エレベーターなど施設のバリアフリー対応についてはこちらのページに詳しく案内があります ▶ バリアフリー対応
函館山ロープウェイの公式ホームページはこちら▼
ようこそ、煌めく光の街へ。最高のロケーションでドラマチックな夜景と函館観光をお楽しみください。 | Mt.Hakodate Ropeway | 函館山ロープウェイ株式会社
函館山ロープウェイ株式会社のウェブサイト。函館山から見た夜景や昼景、観光案内も。美しい景色をお楽しみください。
334.co.jp
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