高山から東京へ 車椅子で金沢・白川郷・飛騨高山旅行 

2020年8月21日

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高山から東京へ 車椅子で金沢・白川郷・飛騨高山旅行 

2020年8月21日

足の山にかかる高山本線の橋を走るワイドビューひだ号

車いす利用の母と金沢・白川郷・飛騨高山旅行3日目

車いすで「高山の朝市」をまわって食べ歩きしたり、「高山陣屋」を見学したり、最後に一瞬血の気が引くようなアクシデントもありましたが、なんとか無事に高山駅に到着。

参考
飛騨高山ー秋の中橋
【高山観光】車いす利用の母と金沢・白川郷・飛騨高山旅行

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高山駅から帰路につき、

まず特急ワイドビューひだ号に乗り名古屋まで

名古屋から東海道新幹線のぞみに乗り換えて東京駅まで

東京駅からJR在来線で自宅の最寄り駅

JRを乗り継いで、いよいよ帰宅です。

車いすにも安心な新しい高山駅

高山駅は、2016年にリニューアルしたばかりの新しくてとてもきれいな駅舎でした
(この旅行は2018年です)

高山駅 外観

高山の古い町並みとは対照的な近代的な建物で、かつシンプルで、車いすでも利用しやすい印象でした。

想像とずいぶん違っていたので驚きでした。

もちろんバリアフリー用トイレもあります

介助サービスをお願いしました

乗車券と特急券はみどりの窓口であらかじめ購入してあったので、改札窓口で駅員さんに提示して介助サービスもお願いしました。

車いすなので、何かと時間がかかりバタバタするといけないと思って、かなり早めに駅に到着していました。

駅員さんの人数の関係だと思うのですが、発車の15分前だったか、一定の時刻になるまで案内することができないとのことで、しばらく待つことに。

売店で車内で食べる用のおやつを買ったりして時間をつぶしました。

高山駅 改札口前

Wpcpey / CC BY-SA (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)
高山駅 改札口前

時間になって、駅員さんに案内され、エレベーターでホームにおりて、スロープを敷いてもらって特急に乗り込みました

特急ワイドビューひだ号の車椅子席指定

このとき乗った特急の車椅子用の指定席は、みどりの窓口で車椅子指定で予約してありました。

乗った車両の先頭、一番前の席で、通路を挟んで1席ずつになっていました。

母の席の隣には車いすをたたんで置いて、それぞれの荷物は足元に置いておきました。

私たちが乗った車両は外国人、おもに中国人の人が多く、しかも家族連れのようで、席をあちこち移動しあって、大きな声で会話していたので騒がしかったです。

母と私は通路をはさんで離れて座っていたので、あまり会話もせず、お互い景色を見たり、眠ったり(騒がしくて眠れなかったけど)して過ごしました。

「特急ワイドビュー」という名のとおり、景色がとてもよく、大きな車窓から紅葉をたのしめました

車椅子の介助サービス利用で名古屋駅から新幹線に乗り換え

特急で名古屋まで行き、新幹線に乗り換えます

名古屋駅では、介助サービスの駅員さんが到着ホームでスタンバイして待ってくれています。

駅に到着すると、設置したスロープを使って車いすごと降車。

「乗り換えの新幹線の発車時刻までかなり余裕がありますので、まずは待合所へご案内しますね」と言って、待合所まで車いすを押して案内してくれました。

「発車時刻の15分前になったらまたお迎えにきますね」とのことで、トイレの場所などを親切に教えてくれました。

待合所で名古屋名物の「天むす」と「味噌カツ」

待合所での時間が1時間近くありました。

待合所の周りにはたくさん売店があって、足りないかなと心配だったお土産も買うことができました。

名古屋で乗り換えるのはわかっていたけれど、ここでもお土産などの買い物ができたのは想定外で助かりました。

高山ではホテルの朝食バイキングをしっかり食べた上に、いろいろ食べ歩いたので、昼食を食べるタイミングを逃してしまっていたので、新幹線の車内で食べるように、名古屋名物の「天むす」と「味噌カツ」も買いました

ほかにも駅弁など美味しそうなものがたくさん並んでいます。

待合所はかなり混んでいて、買い物でちょっと席を立つとすぐにほかの人が座ってしまうというような状態でした。

トイレも済ませ、しばらくしたら駅員さんがまた迎えに来てくれました。

車いすで新幹線の多目的室を利用

駅員さんが車いすを押して、新幹線の乗車ホームへ案内してくれました

このときの駅員さんがとてもフレンドリーで親切で、この駅員さんのおかげで私たちは「新幹線の多目的室」の存在を知って利用してみることができました。

介助サービスで案内してもらった新幹線の多目的室

その駅員さんが「多目的室をご利用になりますか」と聞いてくれたんですね。

「新幹線の多目的室」というのを知らなかったのでそう伝えると、

車いす利用やお体の不自由な方、体調がすぐれない方などが優先して利用できる個室があるんです」とのこと。

個室というと料金がちょっと心配になって「どれくらいの追加料金ですか?」と確認すると、

いえいえ、無料ですよ」と。

「うわ!利用してみたいです」と即答して、空きを確認してもらいました。

駅員さんが無線で確認したところ、運よく空いていたので利用させてもらうことにしました。

新幹線が到着して、スロープで車内へ。

多目的室に案内してくれました。

初めて利用した多目的室

新幹線の多目的室は、乗車口からスロープで車内に入ってすぐのところにありました。

一般的に洗面スペースがあるところに、この車両ではこの多目的室と、バリアフリー対応トイレの両方が設置されています

大きな引き戸を開けて中に入ると、二人掛けサイズの折り畳み型のシートがあります。

折り畳みシートを展開すると、大人がゆったり寝そべることができる大きさの簡易ベッドになります。

新幹線のぞみ多目的室 内部の様子

この個室は、中からカギがかけられるようになっています。

私たちは最初、カギをかけずに引き戸を閉めただけの状態にしていたら、トイレと間違えてドアを開けてしまった乗客の方がいたので、途中から施錠しました。

カギをかけても、車掌さんがこの部屋のカギを持っているので、何かあれば車掌さんは外側から開けることができます

非常用の連絡ボタンも脇の壁についていました

新幹線で景色を見ながら食べた名古屋名物「天むす」

新幹線で景色を見ながら食べた名古屋名物「味噌カツ」

多目的室で足を伸ばして、景色を見ながら名古屋名物の「天むす」と「味噌カツ」を食べました。

母に「あの旅行で一番美味しかったのは?」と聞くと、「どれもみんな美味しかったけど、味噌カツはほんとに美味しかったねえ」と言っていました(笑)。

車いすでも気兼ねなくゆったり過ごせます

もともと私たちは、車いす対応席を予約してありました

車いす対応席というのは一般の座席が3席分のところを1席取り除いて、その覗いた1席分のスペースに車いすを設置して、肘かけを跳ね上げて車いすからシートに移乗しやすいようになっています。

シートに移乗した後は、車いすをたたんで覗いた1席分のところに金具で固定しておきます。

車いすがスペースからはみ出してしまうこともなく、通路を通るほかの乗客の方にも迷惑が掛からないようになっています。

なので、車いす対応席でもじゅうぶんにゆっくり過ごすことができますが、多目的室のメリットは、周りに気兼ねがないことと、足を伸ばしてくつろぐことができる点だと思います。

旅行の移動中、母は長時間ずっと座りっぱなしの状態になります。

座っているので楽ちんだと思いがちですが、エコノミークラス症候群の発症にみられるように、血流が悪くなって足がだるくなり、腰にも負担がかかっています。

それが、多目的室では周りに気兼ねなく足を伸ばしていられるので、母もかなりラクにくつろげたと思います。

ただ、シートに関しては、多目的室のシートは簡易ベッドにもなる反面、畳んでいるときにはいわゆるベンチシートのような平べったいシートなので、車椅子対応席のシートに比べると簡素なつくりです。

それと、多目的室はデラックスなスイートルームというわけではないので、内部はいたって殺風景です。閉め切ると閉塞感もなくはないです。

私たちは、この多目的室を案内してもらって、ゆっくりできてとても良かったですが、車いす対応席と多目的室のどちらがいいかは一概には言えないところかもしれません

車いすで乗る新幹線について 詳しくはコチラでも▼

東京駅から自宅最寄りのJR駅へ

無事に東京駅に到着

このときも、到着したホームのドアの外にはすでに介助サービスの駅員さんがスロープを手にスタンバイしてくれています。

駅員さんに案内してもらって、自宅の最寄り駅に向かうJR中央線のホームへ行き、車椅子優先スペースのある車両に乗り込みました。

のんびり過ごせた新幹線の多目的室とは一転。

平日の夜7時ぐらいだったので、会社帰りの人などでやや混雑した在来線に乗り換えました。

車椅子の優先スペースとはいえ、混雑してくるとどうしても周りに気をつかいます。

逆に、周りの方も気をつかってくださっている感じがして申しわけない気がしました。

ただ、東京駅からタクシーを使うには距離がありすぎて高額になってしまいます。

自宅のある地域によっては、可能なら、最寄りの駅まで特急の指定席を利用するとか、高速バスなども視野に入れてみてください。

実はこの翌年、飛行機を利用して九州に旅行しました。

そのときは、羽田空港からリムジンバスで自宅の2駅先にある停留所まで来れたので、そこからタクシーで2,000円ほどで帰ってくることができました。

なので、高速バスを利用するのも一つの手だと思います。ただ、高速バスは歩行が困難な方の場合、乗り込むのがちょっと大変です。

そのときの様子はこちらで紹介しています▼

高速バス アイキャッチ画像
車椅子で空港まで【空港直結高速バス】リムジンバスは使える?

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無事に自宅へ

JR在来線の最寄り駅に到着したときも、東京駅から連絡済みの介助サービスの駅員さんが、スロープを準備してくださって無事に降車。

なんだかんだで母の自宅に到着したのが夜9時くらいだったと思います。

今回の旅行中、すべてがスムーズにいったわけではなく、途中、バスの乗車拒否だったり、車いすから転倒させてしまったり、いくつかアクシデントもありました

それでも、自分としては想像していた以上に景色や食べ物や温泉を満喫できた旅行になったと思います。

なにより、親孝行がまったくできていなかった私にとって、母とこういった時間を共有できたことがうれしかったし達成感もありました。

ただ逆に、母は始終喜んでくれていたものの、相談もなしに旅行に連れていって「もしかしたら独りよがりで母を疲労させてしまったのでは?」という気持ちが少しだけわいてきたりもしていたんです。

その不安な気持ちは、後日つくった旅行の写真アルバムにまつわる出来事と母の様子で、余計な心配だったというか、やっぱり行って本当によかったという気持ちに変わりました

実はこの旅行前、母は少しショックな出来事があって少しふさいでいたんです。

自分の将来への不安が大きくなって、「施設に入ろうと思う」というようなことも口にしていました。

そんなこともあったので旅行を計画し、なかば無理やりな感じで連れ出したのですが、この旅行のあと、母はすっかり元気を取り戻しました。

取り戻したというより、以前より元気に明るくなった気がします。

外出していろいろな経験ができたことで、自信を持てた感じもあります。

おおげさかもしれませんが、顔がイキイキとしています。

まだまだ旅行だって行けるし温泉にだって入れるということ。

困ったときには助けてくれる人がいること。

そんな思いを母と共有できたんじゃないかと思っています。

旅行中の写真をピックアップして、フォトブックを作成してプレゼントしました。

母はそのアルバムを何度も見返してたのしんでいます

週に2回通っているデイサービスの介護士さんやお友達にも見せて、「すごいね!いいなぁ!娘さんと仲良しなのね」と皆さんに言ってもらえるのもうれしいようで、しばらくの間、デイサービスから帰ると毎回そんな話を母から聞きました。

フォトブックは、私の予想以上にとても喜んでもらえました。特に、フォトブックリングの半透明の表紙のタイプがが写真立てのようにもなるのでおススメです。

プレゼントに最適!「カメラのキタムラ」フォトブック

次からは、この旅行の翌年に行った九州旅行について紹介しています。
飛行機を利用してのバリアフリー旅行を検討しているならぜひ参考にしてください。

参考
11月のカレンダーの画像
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