路線バスで21世紀美術館へ 車いすで金沢・白川郷・飛騨高山旅行

2020年7月4日

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路線バスで21世紀美術館へ 車いすで金沢・白川郷・飛騨高山旅行

2020年7月4日

金沢21世紀美術館の夜のライトアップ画像
写真提供:金沢市

車いすで路線バスに乗り21世紀美術館へ

車いす利用の母と「金沢・白川郷・飛騨高山旅行」の1日目

無事に金沢に到着して、徒歩5分ほどのところにあるホテルへ。
荷物を預けたらまた引き返し、金沢駅の兼六園口にあるバスターミナルへ。

路線バスを利用して「金沢21世紀美術館」に行きました

車いす利用のは母と旅行すること自体初めてで新幹線に初挑戦。そして、路線バスにも挑戦!

金沢駅の兼六園口(東口)のバスターミナルから乗り、21世紀美術館前の停留所で降りました。

ノンステップバスでスロープを設置してもらう

バス乗り場でとりあえず列に並んで順番を待ち、目的のバスが到着したので、前のドアのところに行って運転手さんに声をかけました。

「21世紀美術館に行きたいんですけど、車いすで乗れますか」

運転手さんはすぐにバスを降りて、後ろの乗車口におさめられているスロープを引き出して設置してくれました。

この日に利用したバスではないですが、このような感じでスロープが設置されます▼

ノンステップバス スロープを設置しているところ
ノンステップバス スロープを出したところ
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

車いすスペースに固定

私たちが乗車後、運転手さんは車いす用のスペースに母が乗った車いすをシートベルトや固定器具などで固定して、バスから降りてスロープをしまい、運転席に戻ってやっと出発。

美術館前にバスが到着したときも、運転手さんはバスを降りてスロープを出し、またバスに乗って車いすの固定器具を外し、私たちが下りたらスロープをしまい、また運転席に戻って出発という流れです。

運転手さんがバスを降りたり乗ったり、スロープを出したりしまったり。作業が多く大変そうでした。

定刻を過ぎてしまわないようにテキパキと動かなければならず、スペースも、一般の席をたたんで車いす用のスペースにする形なので、車内が混んでくると邪魔そうで、なんだかとても申しわけない気持ちになりました。

21世紀美術館は車いすでも楽しめます

美術館は近代的なとてもきれいな施設でした。

全館バリアフリーの施設で、車いすでも安心して鑑賞できます
もちろん多目的トイレも設置されていました

無料で入館できますが、その時々開催されている展覧会によって料金が異なる有料の鑑賞ゾーンもあります。

有料ゾーンでも、障害者手帳の提示で本人と介護者は2割の減額サービスが受けられます

私たちは無料のゾーンだけを鑑賞してきました。
無料のゾーンだけだったというのもあって、ゆっくり1周見て回っても1時間かからないくらい。そんなに時間のかかるスペースではなかったです。

体験することのできるオブジェ

有名な「スイミング・プール」などは、テレビで見たことのある風景を実際に見ることができて母も喜んでいました。
「スイミング/プール」の無料のゾーンは、地上から見るだけになります▼

レアンドロ・エルリッヒ「スイミング・プール」
写真提供:金沢市

有料のゾーンでは、このプールの地下部から地上を見上げて、だまし絵のような感覚をたのしむことができます▼

レアンドロ・エルリッヒ「スイミング・プール」
写真提供:金沢市

椅子のオブジェがところどころに展示してありました。
展示というか、実際に座れます。休憩スペースみたいです▼

金沢21世紀美術館『ラビットチェア』

母にスマホのシャッターを押してもらい撮った写真です▼
3回くらい撮りなおしてもらったのですが、どうしても母の指がカメラのレンズにかかってしまうようで写っています(笑)

触れたり座ったりできる体験型のオブジェがところどころにあって、中庭のオブジェでは子どもたちが遊んでいました。
たとえば小さいお子さんが一緒にいても、たのしめる場所だと思います▼

「ドロップチェア」と球形のパビリオン「まる」
写真提供:金沢市

近代的な美術館の中庭でも、松の木が金沢の和の雰囲気を醸し出しています。
木の下に写っているのはフェルナンド・ロメロ作「ラッピング」。子どもが内部に入って遊ぶこともできるように設置されたパビリオンです▼

21世紀美術館のチケット購入について

先述したとおり、21世紀美術館には【交流ゾーン】と呼ばれる無料で観覧できるエリアと、【展覧会ゾーン】と呼ばれる有料のエリアがあります。

また、有料の【展覧会ゾーン】はさらに『コレクション展』と『特別展』に分かれていて、鑑賞券の金額が違います。

展覧会名一般大学生小中高生65歳以上
コレクション展
当日券のみ
450円
(360円)
310円
(240円)
無料
※要チケット発券
360円
特別展
WEBチケットあり
1,200円
(1,000円)
800円
(600円)
400円
(300円)
1,000円

上の表の料金表示のカッコ内の金額は、障害者割引を適用した場合です。チケット購入の際に障害者手帳を提示すると適用されます。

コレクション展は当日券のみで前売り券の販売はありません。
対して、特別展はWEBチケットもありオンラインで予約・購入することができます。(WEBチケット料金は、上記料金表のカッコ内と同金額です。すでに割引が適用されているため、さらに障害者手帳提示による割引はありません)

先ほど紹介した『スイミング・プール』の地下部を観覧するには、【展覧会ゾーン(コレクション展または特別展)】のチケット購入のほかに、事前予約または当⽇順番待ち受付が必要です

スイミング・プールの地下部の観覧について詳細はこちら ➔ 《スイミング・プール》地下部の観覧について

公式ホームページによると、土日祝日や連休中などは当日チケットの購入にかなりの時間がかかる場合があるため、作品をスムーズに観覧するためにも、特別展WEBチケットの事前購入がおすすめされていました。

この『スイミング・プール』の地下部観覧と展覧会ゾーンのチケット購入について、少しややこしいので、こちらのページが参考になると思うので載せておきます(当日チケット購入の裏技も!)▼

金沢21世紀美術館の「スイミングプール」予約の詳細 | 金沢を観光してみたいかも!
金沢21世紀美術館の「スイミングプール」予約の詳細 | 金沢を観光してみたいかも!

「スイミング・プール」地下部への入場予約に関して、これまでは、1週間前からの「事前予約」と当日午前9時からの「当日順番待 ...

kanazawa-tourism.net

21世紀美術館は車椅子でもゆったり過ごせるスポット

私たちが行ったのは10月の第3週めの日曜日で、そこまで混雑もなく館内をゆったり回ることができました。

ただ、チケット売り場は行列ができて混み合っていました。私たちは無料のゾーンしか観覧していないので並ぶことはありませんでしたが、障害者割引も使えることですし、せっかくならチケットを購入して、人気の『スイミング・プール』の地下部なども観覧してくればよかったとも思っています。

ちなみに、美術館の定休日は基本毎週月曜日です。(月曜日が祝日の場合はその翌日)

普段は外出することの少ない母との旅行は、予定を詰め込みすぎるとぐったり疲れてたのしめなくなってしまいます。
そういう意味でも、21世紀美術館は、旅の途中でほっと一息つけるようなスペースで、車いすでも無理なくゆっくり過ごせるスペースなのでおすすめです。

金沢21世紀美術館の公式ホームページはこちらです▼

金沢21世紀美術館 | 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa.
金沢21世紀美術館 | 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa.

石川県金沢市にある現代美術館です。来館情報、展覧会、イベント、教育普及プログラム、コレクションの紹介など。

www.kanazawa21.jp

帰りのバスは乗車拒否を経験

乗せてもらえずに1台見送りました

美術館から金沢駅へ戻る方向のバス停で路線バスを待っていました。

しばらくして金沢駅行のバスが来たので、また来た時と同じように運転手さんに「車いす乗れますか」と聞きました。

運転手さんは「ムリムリ!」と言っているかのように眉をひそめて手を振って、後ろを指さして合図したあと、私たちを残して発車して行ってしまいました

運転手さんは何か言葉を発していたのかもしれませんが、聞き取れないぐらいささっとあしらわれて行ってしまったので、何が理由で断られたのかわかりません。

次のバスが並んで待っていたぐらいの間隔ですぐに来て、そちらは快く乗せてくれました。

来た時と同じ手順で、運転手さんがバスから降りてスロープを出し、車いすごと母を乗せて固定し、またスロープをしまって運転席へ。忙しそうでした。

待たずに次のバスに乗れました

乗車拒否の理由は詳しくはわかりません。

でも、すぐに次のバスが来たので、「このバスはすでに乗客がいっぱいで混んでいるからすぐに来る次のバスに乗ってね」という意味で運転手さんは後ろを指さして合図していたのかなと思っています

乗せてくださったバスの運転手さんには、知っているかのように「どうぞどうぞ」という感じで対応してもらえたので、もしかしたら前の運転手さんが無線か何かで連絡をとってくれていたのかもしれません。

とにかく、ショックを受ける間もないほどすぐに次のバスが来て、無事に乗ることができました。

車いすで路線バス利用 混雑時は厳しい

私たちが金沢駅に向かった時間は夕方5時半ごろで、ちょうど通勤客の帰りのラッシュの時間帯になっていました
乗れたバスにもすでに乗客がいて、終点の金沢駅に到着するまでには満員状態。

21世紀美術館のバス停の手前には兼六園もあるので、駅やホテルに向かう帰りの観光客もいたと思います。
乗れなかったバスがどれほどの混雑状況だったのかも、今となってはわかりません。

時間帯によってはほかの交通手段も検討

路線バスは、主要な観光地のすぐ目の前に停留所があることも多く、移動手段としてはとても便利です。
さらに、路線バスは障害者割引があるので、母と私は半額の料金で利用することができます

ただ、このときはすぐ次のバスに乗ることができましたが、いつも、どこの観光地でもそうであるとは限りません。

時間帯によってはタクシーを利用するなど、他の選択肢も考えておいたほうがいいかもしれません

実は、私たちの場合は、翌日にレンタカーを予約してありました。
兼六園を観光してから白川郷へ向かう予定でいたので、その流れで21世紀美術館にも立ち寄る計画でした。

が、金沢に到着した時点で、翌日は美術館が定休日(月曜日)だということがわかり、予定変更して初日のうちに美術館だけ回ることにしたのでした。

やはり、計画不足はこうしたアクシデントを起こしがちです。
とくに車椅子ユーザーとのお出かけは、車いす対応への下調べが重要になってきます

「行けなかった」「できなかった」というネガティブな思い出をできるだけ避けるためにも、定休日や車いす対応への下調べを、経験者の立場からとくにおすすめしたいと思います。

でも、気にせずたのしもう!

それでも結果的に、バスのメリットデメリットなどを両方体験することになって、これも良い経験だったと思っています。

後日、こんなYouTube動画を見つけました。現役バス運転手のかしけんさんの動画です。
路線バスに車椅子を乗せるのは面倒だけど気にせず乗りんしゃい!」というタイトル通りの内容で、少し心が救われました▼

次は、夜ごはんとホテルの様子を紹介します。

車椅子の母と利用した金沢のホテルのバリアフリールームの様子はこちら▼

石川県・金沢周辺のバリアフリールームのあるホテルを探しているならこちら▼
バリアフリールームやバスルームの写真付きで紹介しています。

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