2022年10月125日(火)~26日(水)
車椅子ユーザーである母と、箱根に1泊温泉旅行。
ロマンスカーで箱根湯本駅まで行き、登山電車 ➔ ケーブルカー ➔ ロープウェイを乗り継いで、大涌谷を観光。2日目には、海賊船、遊覧船を乗り継ぎ、路線バスで箱根湯本駅に戻りました。
車いすユーザーにとって様々な交通機関を利用するのはハードルが高いと思いますよね。
今回の箱根旅行で、私たちはいろいろな乗り物(交通機関)を利用しました。実際には、それぞれの乗務員の方の親切な介助のおかげもあって、どの交通機関も、車いすでもスムーズに利用することができました。
交通機関というより、ゆったりのんびり箱根の景色を堪能しながら、むしろ観光アトラクションのように楽しめます。
その様子、まずは登山電車・ケーブルカー編を紹介します。
スイッチバック方式・車内アナウンスもたのしい箱根登山電車
箱根湯本から強羅の間を40分ぐらいかけて走る登山電車。
箱根の山を駆け上るには、直線では急勾配すぎるので「スイッチバック方式」というジグザグ運転で進んでいきます。
しばらく進むと、進行方向が逆に。それを3回くり返します。
切り替え地点で、それまで前方と思っていたのとは逆の方向に進むので、先頭にいた運転士と後方にいた車掌も前後入れ替わります。
景色良し。途中で流れる車掌さんのアナウンスも、観光ガイドのようでとてもたのしいです。
観光の一つとしてもおススメなのですが、バリアフリー対応の新型車両とそこそこ対応の旧型車両があり、私たちは旧型車両のほうに乗ってしまいました。
スロープで乗車はスムーズ でも・・・
箱根登山電車は、箱根湯本駅の、ロマンスカーの隣のホームから発車します。
私はそれを知らずに、改札を出てしまいました。改めて切符を購入。同時に、乗車時のスロープ出しをお願いしました。
運賃ですが、障害者手帳提示で半額になります(母は1種なので、介助者の私も半額)
詳細はこちらで確認できます➔「障がい者手帳をお持ちのお客さま」
しばらくしたら真っ赤な登山電車が到着▼
スロープを設置してもらっているところ▼
スロープを設置してもらいスムーズに乗車できたものの、あると思っていた車いす用スペースがない、、、
期待していた列車の先頭の座席はかなり空間が狭く。泣
母はなんとか車いすから移乗して着席できましたが、車いすのままの場合はどこにいたらいいのか困る感じでした。
私たちは眺めをたのしみたくて先頭の席を選びましたが(無理やり)、先頭にこだわらなければ車椅子スペースがあります。
『箱根 彫刻の森美術館』に行くときに強羅から箱根湯本方面の登山電車に乗った時の様子です。
乗降ドアの横にある車椅子スペース(下の部分から温風が出ていて暖かかったです)▼
バリアフリー対応車両『アレグラ号』
実は、私たちが乗ったのは、古いタイプの旧型車両。
新型車両は前面展望スペースがバリアフリー対応になっていて、足元までガラス張りで景色もよく見えるデザインになっています。
帰りの箱根湯本駅でちょうどその新型車両を見かけたので撮りました。
前面展望スペースがバリアフリー対応車両の「アレグラ号」です▼
手前に見える座席のないスペースが、車いす対応の前面展望スペースです。
手すりもしっかりあります。運転席越しに見える前面展望、サイドも足元までガラス張りで景色もよく見えそう。ある意味、特等席ですね▼
私たちは知らずにたまたま旧型車両に乗ってしまいましたが、駅で確認をすれば、この車椅子スペースのあるアレグラ号の発車時間に合わせて介助などをお願いできるかと思います。
雄大な景色の中を進む山岳鉄道
母も一緒になんとか座れた先頭の座席ですが、すぐ目の前に運転席越しの景色が見えて最高に良かったです。
すれ違いで向かいに見えるのはバリアフリー対応車両の「アレグラ号」▼
トンネルを抜けたり▼
鉄橋を走ったり、、、
この「出山鉄橋」は、現存する日本最古の鉄橋だそうです▼
鉄橋からは、眼下に深い渓谷の景色が見えます。
このときは紅葉には少し早くて「2週間後くらいがいちばんの見頃です」と車内アナウンスが▼
スイッチバックの切り替え地点▼
ここで先頭にいた運転士と後方にいた車掌が前後入れ替わります。乗客はバックして来た道を戻っているような感じで、変な感覚でおもしろいです。
わかりづらいですが、明星ヶ岳大文字焼きの「大」の字も見えてきます▼
強羅駅に到着・駅の多機能トイレ
車掌さんの観光ガイド的車内アナウンスをたのしみつつ、景色を堪能しつつで、あっという間に終点の強羅駅に到着。
強羅駅からはケーブルカーに乗り換えます。
強羅駅には多機能トイレもあります。乗り換え前にトイレタイム▼
多機能トイレの中の様子はこんな感じ▼
箱根登山ケーブルカーに乗り換え
大涌谷へ向かうには、強羅駅でケーブルカーに乗り換えます。
登山電車で駅に到着したら、ケーブルカーのホームに移動するだけで、改札を出ずに乗り換えられます。
ケーブルカーの車椅子スペース
私たちはいったん駅から出て、宿泊先に荷物を預けに行ったので、また改めて切符を購入。
こちらも障害者手帳提示で半額とのことで、子ども料金の切符を2枚▼
詳細はこちらで確認できます➔「障がい者手帳をお持ちのお客さま」
ここでもスロープ出しと介助をお願いしました。
とても親切に対応してくださって、複数の職員さんで誘導してもらいました▼
車内の車椅子スペースは、通常の座席のスペースより一段高くなっており▼
しかも列車の最後尾なので▼
登山電車と同じく、景色を独り占めのようなある意味特等席です▼
早雲山駅のバリアフリー
乗車して10分ほど、あっという間に終点の「早雲山駅」に到着です。
早雲山駅は、2020年のリニューアルでバリアフリーが整備されていました。
強羅駅ではホームが斜面になっていましたが、早雲山駅のホームはフラット。車体とホームの間も段差なく、隙間もほとんどないので、介助なしでも乗降可能な感じです▼
でも、強羅駅で介助をお願いしたときに、到着駅への連携もしてくださったようで、早雲山駅ホームで駅員さんが待っていてくれました。
しかもエレベーターに乗り改札までずっと車いすを押して案内してくれました▼
改札へ向かうエレベーターから見える景色も絵画のよう。いま来たケーブルカーの線路が見えます▼
ちなみに、逆方向の、早雲山から強羅方面へのケーブルカーにも乗りました。
ホームで待っている間はこのように「昇降式ホーム柵」がおりています。安心です。
早雲山駅はバリアフリー対応の観光スポットです
ロマンスカー、登山電車、ケーブルカーを乗り継いで、無事に到着した「早雲山駅」。
ケーブルカーとロープウェイの中継地点である「早雲山駅」は、2階が「cu-mo(クーモ)箱根」という観光施設になっていました。
軽食やおみやげのショップ、箱根の景色を一望できる展望テラスや足湯もある新しくてきれいなスポットです。
cu-mo(クーモ)箱根でひとやすみ
改札を出て、エレベーターで2階へ。
すぐにcu-mo(クーモ)箱根のフロアが広がっています。もうすでに見えている景色がすごい!
施設名が「クーモ」で、クッションも「雲」▼
展望テラスからは箱根の外輪山、遠くには相模湾が一望できます▼
『くもぱん』食べてみました。
中にはカスタードクリームが入っていて、蒸しパンのような、カップケーキのような。ふわふわだけど、重量感もそこそこあります▼
早雲山駅の多機能トイレ
早雲山駅は、バリアフリー化もとても意識してリニューアルされています。
「cu-mo箱根」も足湯以外はフラット(足湯だけは手前に段差がありました)、エレベーターやトイレも使いやすいように整備されています。
とくに多機能トイレはとてもきれいでした▼
多機能トイレの中の様子はこんな感じ▼
車いすで乗る登山電車とケーブルカー
登山電車といったら名前のとおり山を登っていく交通機関で、車いすユーザーには無縁のような、そういう乗り物を使うような場所に母を連れて行くこと自体が無謀だと思っていました。
あるとき、観光協会発行の箱根の観光用バリアフリーマップの冊子を入手。登山電車、ケーブルカー、そしてロープウェイにも車いすで利用できることを知り、そのバリアフリーマップをもとに旅行計画を立てました。
それでもやっぱり、車いすの母親との旅行はいつも不安と一緒に出発します。バリアフリーマップがあったとしても、実際にはどこにどんなバリアが存在するかわからないからです。
有数の観光地だからこそのバリアフリー
登山電車もケーブルカーも、バリアフリーマップにも載っていたとおりで、スムーズに乗車することができました。
どちらの車両も、施設も、それぞれのスタッフの方も、観光地だからこその「誰もがたのしめるように」という配慮と受け入れ体制を感じました。とても親切に対応してもらいました。
次は、ロープウェイに乗って大涌谷へ向かった様子を紹介します。
私が参考にした箱根の観光バリアフリーマップは、ウェブでも見ることができます➔『車いすで巡る箱根旅 観光MAP』
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